サッカー界における象徴的なタトゥー愛好家たち#2

サッカー界における象徴的なタトゥー愛好家たち#2

Words by Yuto Suzuki

タトゥーを入れる理由は、単に身体を美しく見せたいからという人がいる一方で、その行為は皮膚を冒涜するもの、タブーであると考える人もいるだろう。現代のフットボーラーは、おそらくタトゥー最大の支持者である。多くの選手がいくつかのタトゥーを身体に纏いピッチを駆け抜ける光景は、もはや一般的といえるからだ。タトゥーに込められた想いは選手各々で異なり、人生の節目となる出来事を表すこともあれば、特別な人へのオマージュとして刻まれていることもある。今回は、サッカー界における象徴的なタトゥー愛好家たちにフォーカスを当ててみよう。

 

 

ジブリル・シセ / Djibril Cissé

 

 

マルセイユ、リヴァプール、パナシナイコスなど、長く欧州で活躍した元フランス代表ストライカーのジブリル・シセ。彼の身体には無数のタトゥーが施されています。例えば左腕の虎の足は勇敢、情熱を表し、未来の人生に向かって進む、自身の行動そのものを象徴しているタトゥーだといえます。首と背中には愛する息子と妻の名前のほか、保護、幸運、愛を象徴する「天使の翼」が大胆に刻まれています。世界有数のカルトヒーローは、Djibril Cisse A.K.A TCHEBAの活動名で、第2の人生をラッパーとして歩んでいます。

 

パオロ・ゲレーロ / Paolo Guerrero

 

 

その風貌から、The Warrior の愛称でファンから親しまれてきたパオロ・ゲレーロ。ペルー代表の通算得点記録保持者であり、コパ・アメリカでは3度の得点王にも輝いたことのある生粋のストライカーは、タトゥー愛好家としても知られています。小さく描かれた自動AK-47ライフル、母国への愛を示す TE AMO PERU の書込み、そして腹部に彫られた息子ディエゴの肖像画は彼の一番のお気に入りです。

 

アルマンド・イッツォ / Armando Izzo

 

 

父親の死後、サッカーを辞めようと考えていた彼の決断は当時の代理人によって持ち越され、プロキャリアを築き気付けば29歳となった彼は今、セリエA 200試合出場の記録を間近にしています。アルマンド・イッツォは、自身の出身地区スカンピアの「ヴェーレ(帆)」と呼ばれる集合団地を太ももに描いています。それは生まれ育った土地への敬意の表れであり、常にナポリを心に抱いているという証明でもあります。

 

ケヴィン プリンス ボアテング / Kevin-Prince Boateng

 

 

" The streets won't forget "

フットボールの議論が起きているソーシャルメディア上では、よくこの言葉を目にします。 基本的にキャリアの中で一度だけ、あるいは短期間の中で複数回にわたりファンを魅了したプレーヤーを賞するフレーズですが、彼はその賞賛に値する選手の一人です。その全身に施されたタトゥーは、彼が時折魅せるトリックのように美しく洗練されています。

 

Embed from Getty Images

 

ボアテングの右太ももには、指でサインを作った手のタトゥーがあります。サッカー選手には、ゴールを決めた後に行う、シグネチャー・セレブレーション(指で何らかのサインを作り、カメラにポーズするようなもの)がありますが、この手は、ボアテングがゴールを決めたときのその様子を表しています。

 

マッテオ・ポリターノ / Matteo Politano

 

 

動物の顔を背中一面に彫っている選手は、サッカー界における象徴的なタトゥー愛好家たち で紹介した、メンフィス・デパイやズラタン・イブラヒモビッチが代表的な例ですが、セリエA・ナポリで活躍するアタッカー、マッテオ・ポリターノのタトゥーも彼らに引けを取りません。イタリアの有名タトゥーアーティストであるバレンティーノ・ルッソによる作品は、完成までに約8時間かかったといいます。

 

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