Words by yuto suzuki
ソーシャルメディアから、プロモーションへの出演、休暇期間中まで、サッカー選手の生活がこれまで以上に記録され、フォローされる現代。中には信じられないようなファッションセンスの持ち主もいます。今回は世界を代表するファッショナブルなサッカー選手7名をご紹介することにしました。
エクトル・ベジェリン / Héctor Bellerín
今年2月にH&Mメンズとの共同制作のサステナブルコレクションを発表したことで話題を呼んだエクトル・ベジェリン。数々の大手ファッションメディアから取り上げられるスペイン人ディフェンダーは、サッカー界きってのファッションアイコンの地位を確立しています。
休日に通うアートギャラリー、ヨガ、瞑想、ヴィーガンであるエクトルの食生活などは全て周囲からのプレッシャーに対処するため。彼のクリエイティブな趣味には「サッカーに集中するべき」と批判がされることもありましたが、「僕は僕が生きたいように生きているのであって、周りの人々の考えのもとで生きてるわけではありません」と彼は言います。エクトルは典型的なサッカー選手の枠を打ち破った存在といっても過言ではありません。引退後はファッション業界で働くことを目標に、現在大学でブランディングとスタイリングのコースを履修しています。
中田英寿 / Hidetoshi Nakata
日本のスポーツ界を代表するファッションアイコン、中田英寿。イタリアの名門ローマに所属していた中田は、長年ルイ・ヴィトンと関係を築き、毎シーズン彼はフロントロウに参加しています。イタリア版「GQ」のフォトグラファー、アンドレア・テネラーニは「彼は完璧で、まるでモデルのようだ。そして、彼は完全にファッションに夢中になっている」と語り、カルバン・クラインのデザイナー、イタロ・ズッケーリは、「(中田は)みんなと同じようにファッションで遊んでいるが、他の多くの人よりもクールで洗練されている」と評しました。29歳での引退後、実に世界50か国、150以上の都市を訪れ、サッカーを通じた社会貢献活動を続けてきた彼は、現在日本文化に係る活動として、日本酒を始めとした作り手の情報を市場に発信し、作り手と消費者をつなぐ事業を行っています。ピッチ上だけでなくピッチの外でも、多くの人にインスピレーションを与えてきた中田。記録にも記憶にも残る選手というのは彼のような人物を差すのでしょう。
デビッド・ベッカム / David Beckham
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デビッド・ベッカム。サッカー界のベストドレッサーとしてだけでなく、瞬く間に確立された英国で最もスタイリッシュな人物という地位は、今後も維持されていくでしょう。数々のファッションウィークへの参加、サンローランのアロハシャツ、ディオールのパーカーからトムフォードのタキシードまで完璧に着こなす彼が、ファッションという側面において平凡になることはほとんどありません。
ロリス・カリウス / Loris Karius
たとえ優勝チームの一員でなかったとしても、2018年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝の代名詞として、ロリス・カリウスは永遠に語り継がれることでしょう。かつてのリバプールの先発GKとしてプレーしていたドイツ人プレーヤーは、再びリヴァプールで自分の居場所を求め戦っていますが、サッカー選手のファッションという分野においては常にNo.1です。Instagramで彼のスタイリッシュなコーディネートを見てください。ピッチの外だけでなくピッチの上でも輝きを取り戻す瞬間をファンは待ち望んでいます。
トム・デイヴィス / Tom Davies
「あなたがサッカー界で最もファッショナブルだと思う選手は?」という質問に対してよく目にする名前が、エヴァートンFCの2人。かつて同クラブで活躍したアラン・ウィットルを叔父に持つトム・デイヴィスは、11歳からクラブに所属する生粋のエヴァートンっ子として知られています。
マンチェスターシティ戦でのエキサイティングなリーグ戦初ゴールを含む、大活躍のデビューイヤーはもう5年も前のこと。
現状、彼のピッチ上でのパフォーマンスについて議論することはできますが、彼のファッション・センスという分野については誰も議論することはできないでしょう。その証拠に、彼のInstagramのページを見てください。きっと納得していただけるはずです。
ドミニク・カルヴァート = ルウィン / Dominic Calvert = Lewin
プラダ、青いベルベットのブルースーツ、シャネルのハンドバッグへの愛をソーシャルメディア上で誇らしげに語り、自らファッションの世界に足を踏み入れる彼の姿は、自分らしさを貫く重要性を教えてくれます。実際、イギリス発の男性ファッション誌「Homme+」のカバーを飾った際、「女子学生」と揶揄された彼はtalk SPORTSでこう発言しています。
「僕のスタイルは少し変わっていると思われるかもしれない。でも、僕は僕のやり方で、僕は僕のままでいいんです。サッカーが、常に自信を持つこと、常に自分を信じなければならないことを教えてくれました。私がもしスーツを着たいと思ったら、誰もそれを好まなくたって、私はスーツを着続けます。」
ロマン・ガル / Romain Gall
ロマン・ガルはスウェーデンの名門マルメに所属するウインガー。 パリで生まれ、代表はアンダー世代からアメリカを選択し国際的に活躍を続けてきました。旅慣れている彼はスタイルや国境を越えて、自分のワードローブにインスピレーションを得ています。ヒップホップやR&Bのファンである彼には、休日に音楽を作るクリエイティブな一面も。
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自分をより魅力的にみせるため、毎日しっかりお洒落をしてコーディネートを組む。今日はこのトップスとこのパンツを組み合わせて、アクセサリーはこれで、と。でもなにか違う。楽しくも難しく、試行錯誤を繰り返して自分を知ろうとするその過程は、どこかフットボールにも通ずる部分がありそうです。わたしたちはついつい外部の声に取り込まれそうになりがちですが、グラウンドの上でも、ワードローブの前でも、「僕は僕のやり方で」と、つねに自分に正直でありたいものです。