2021/11/16 更新
Words by Yuto Suzuki
19年の時を経て、セリエA 復帰を果たしたイタリアの古豪・ヴェネツィアFC
かつて 元日本代表・名波浩 が所属したクラブは、今や世界で最もファッショナブルなクラブ だと言っても過言ではない。
歴史と文化に浸り、その建築の壮大さと水路で世界的に有名なイタリアの都市は、これまでサッカークラブとは無縁だったが、そこは平年であれば、世界各国から約2500万人以上の観光客が訪れる街。
それは グローバルブランド としての「ヴェネツィア」の可能性を示唆しており、リリースから数時間以内に売り切れた、スタイリッシュな 21/22 ホームキットとアウェイキットの最新コレクションは、クラブの可能性と魅力が高まっていることを示すいい例だ。
今回は世界的に反響を呼んでいる、イタリア・ヴェネツィアFC の 21/22 シーズンキットを紹介する。
21/22 Home Shirt
21/22ホームシャツのベースには、ラグーン周辺で撮影された古いファサードの写真から作成された、ヴェネチアの壁のテクスチャーがだまし絵のようにプリントされており、この街に由来するユニークなデザインとなっている。
これは、金色に輝く教会、モニュメント、宮殿、そして中世末期からルネッサンス初期にかけてのヴェネツィアの芸術と商業における金の歴史的意義にインスパイアされたものだという。
そして最もホームキットで特徴的なのが、「V」の形に配置された金色の星。これはヴェネツィアで最も有名な大聖堂「サン・マルコ寺院」の星を表している。
21/22 Away Shirt
クリーム色をベースに、クラブカラーであるオレンジ、ブラック、グリーンがシャツ全体に グラデーション された アウェイシャツ。胸に金色の "Venezia "の文字と、特別仕様の金色のクレストを配しているのがこのシャツの特徴だ。
最も特徴的である反復する三角形の パターン は、ヴェネツィアのモザイクアート の伝統から着想を得ている。
またこの ルック が撮影されたのは「黄金の館」として知られる宮殿 カ・ドーロ。現在は美術館として公開されており、床には カ・ドーロ の最後の所有者である ジョルジョ・フランケッティ の ライフワーク である見事な モザイクアート が施されている。
21/22 Third Shirt
サードシャツは、ブルーのボディにクラブカラーをあせた 3本のストライプ を胸に配し、クラブカラーが水に浮かんでいるようなイメージを表現。
21/22 コレクションのテーマとして、シャツの胸にはゴールドの “Venezia” の文字と特別仕様の金色クレスト、そして金色の Kappa ロゴがあしらわれている。
またクラブは、ラグーンの修復と再生を中心に活動するNGO、We are here Venice (WahV) との パートナーシップ を発表し、その一環として、クラブの公式ショップでの各シャツの売上から 5ユーロ を WahV に寄付することを発表。
ルック撮影は、ヴェネツィア・リド島の南端に位置する特別保護地区、アルベローニ砂丘で行われた。
サードシャツ は美しいデザインに加え、国際的にも注目されている ヴェネツィア とその ラグーン環境保護のための ストーリーをも持ち合わせているのだ。
21/22 Fourth Shirts
今シーズン、サッカー界で最も傑出したキットコレクションの最後のピースとして発表されたフォースキットがこちら。
ベネチアレッドにゴールドのディテールを施したキットは、サンマルコ広場の無数のボート、バルコニー、ヴェネツィア独特の居酒屋バカーリに至るまで、ラグーンの街に常に存在するヴェネツィア共和国の象徴的な国旗からインスピレーションを得ている。
ボディは、Kappaのクラシックなスタイルを感じさせるブラックの袖で縁取られており、イタリアのキットメーカーとして有名なOminiのロゴがゴールドで繰り返されている。
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なお ホームキットのデザイン、および マッチキット を含む残りの 21/22コレクションは、ニューヨーク の クリエイティブエージェンシー である FlyNowhere が Kappa とのコラボレーションにより共同で行っている。